Axisバードスタジアムの増席計画は、事業費の約7割をスポーツ振興くじ(toto)助成に頼る設計でしたが、J3降格で頓挫。 いっぽうクラブは、市民協賛金で約4億円のYAJINスタジアムを自力で建てるなど、公費に頼らない民設の実践でも知られます。 「税金頼み」だけでは語れない、対照的な事例です。
ガイナーレ鳥取の現ホーム「Axisバードスタジアム」(鳥取市営サッカー場、鳥取市所有)は、サッカー専用ながら 消防条例上の入場可能数が11,999人で、J2基準(1万人)は満たすがJ1基準(1.5万人)には届きません。 同クラブは債務超過を抱える小規模クラブですが、公費に頼らない自助努力の施設整備でも知られます[1]。
米子市に開場。建設費約4億円(平地なら30〜40億円のところを造成の工夫で圧縮)を、一口1万円からの 個人・企業の協賛金で調達=公費でない民設民営。収容7,390席、施設所有は株式会社SC鳥取。
J1基準(1.5万人)に届かせるため約3,000席の増設を計画。事業費3億9,000万円のうち2億7,000万円をtoto助成金、 残りを基金で賄う構想だったが、2014年のJ3降格で計画は見送り。公費(助成)前提の増席が、成績とともに頓挫した。
財政悪化を理由にJ2ライセンス申請を見送り、J3残留が確定。スタジアム基準以前に、経営が昇格の壁になった。
YAJINスタジアム管理のノウハウを活かし、米子市の遊休農地を借りて芝生を生産・販売。障がい者の軽作業協働など地域連携型。 公費補助でなくクラブ発の事業として展開する。
スタジアム10周年を機にした継続整備で1,000万円超を集め、駐車場の芝生化などに充当。ここでも公費でなく市民・企業の支援金が財源。
Football Channelが「Jリーグ座席種類数ワースト」でAxisを取り上げ、収容11,999人・座席5種類、2014年J3降格でJ1規模増設が 見送られた経緯を報道。専用スタジアムゆえ座席多様化の余地が乏しい現状が指摘された。
鳥取が教えてくれるのは、昇格や存続の壁は「立派な箱」ではなく、まず経営だということ。 そして、工夫次第で公費に頼らずに施設を持つ道もあるということ。批判と評価の両面から学べる事例です。