CASE STUDY 21 | カマタマーレ讃岐

讃岐・スタジアム問題
——3万人級の県立競技場に観客2千人、命名権は半減

税金で建てた収容3万人級の県立丸亀競技場。しかしJ3讃岐の平均観客は約2千人で、稼働率はわずか約7%。 屋根はJリーグ基準(B等級)に届かず是正を求められる一方、県は改修も新設も及び腰。命名権収入はほぼ半減し、 公募も難航しました。「過大な公費施設」の維持コストが問われます。

対象期間:2015年〜2026年/進行中の論点です
香川県立丸亀競技場(Pikaraスタジアム)
現在のホーム「丸亀競技場」(2026年に命名権が四国化成MEGLIOスタジアムへ) 写真:Kanko3131(CC BY-SA 4.0)/ Wikimedia Commons
WHY IT MATTERS

問題の背景

カマタマーレ讃岐(J3)の現ホーム「丸亀競技場」(香川県所有・収容30,099人/固定22,338席)は、 400m陸上トラック併設の巨大競技場です。メインスタンドの屋根がJリーグ基準の「B等級(収容の1/3以上を屋根で被覆)」を満たさず、 2023年に是正計画の提出を求められました。しかし県は専用スタジアム建設にも屋根改修にも消極的です[1]

この事例が示す「過大な公費施設」の現実 ①税金で建てた3万人級の競技場に、J3の観客は平均約2千人(稼働率約7%) ②屋根はJ基準未達だが、県は改修の予算・時期を示さない ③命名権は年2,015万円→1,100万円へほぼ半減し、公募は2度も応募ゼロ。 巨大な公費施設の集客・収益力の低下が、そのまま維持コストの重荷になっています。
約7%
稼働率(3万人級に観客約2千人)
2,015→1,100万円
命名権の年額(ほぼ半減)
B等級
未達
屋根被覆(改修は予算未定)
TIMELINE

時系列(2015 → 2026)

2015年9月1日

命名権「Pikaraスタジアム」開始(年2,015万円)

STNet(高松市)が命名権を取得、年額2,015万円(税別)・5年契約。2020年に同額で更新し2025年8月末まで。県の歳入となる。

出典:香川県立丸亀競技場(Wikipedia)/Jリーグ公式
2018年(シーズン終了)

J2最下位でJ3降格

2018年J2で最下位となり2019年からJ3へ。以後J3が続き、巨大競技場に対し観客動員が細っていく。

出典:カマタマーレ讃岐(Wikipedia)
2023年9月26日 ★

J1ライセンス交付も、屋根被覆で是正要求

観客席屋根が「規定の1/3以上」を覆っていないため、B等級基準未達として11月30日までに充足計画案の提出を条件付けられた。 税金で建てた施設が、基準を満たすためにさらなる公費改修を迫られる構図。

出典:カマタマーレ讃岐(Wikipedia)/Jリーグ・スタジアム基準
2023年11〜12月 ★

住民が高松中心部の専用スタを提言、県は消極回答

県民が「丸亀の陸上競技場開催が観客動員の阻害要因」とし、高松市中心部への専用スタジアム建設を提言(11.25)。 県は「直ちに整備することは難しい」と回答(12.07)。サンポート高松での県立アリーナ整備進行中を理由に挙げ、 丸亀の屋根改修の具体策には言及しなかった。

出典:香川県公式(県民の声)
2024〜2025年 ★

J3で低迷、観客動員は約2千人——稼働率約7%

2024年J3で16位・平均動員1,949人、2025年は平均2,203人。収容30,099人の巨大競技場に対し稼働率は約7%にとどまる。 「税金で建てた3万人級に観客2千人」という、費用対効果の象徴的な数字。

出典:Wikipedia/gurafu.net
2025年8月31日

Pikara命名権が満了、再公募は難航

STNet契約満了。県教委は後継スポンサーを公募したが2度応募ゼロ。3度目で条件を「年1,200万円以上」→「1,000万円以上」に 引き下げて再募集した。県所有施設の集客・収益力の低下を映す。

出典:朝日新聞/marugame2.jp
2026年1月1日 ★

命名権「四国化成MEGLIOスタジアム」に——年額ほぼ半減

四国化成HD(丸亀市)が命名権を取得(2026.1.1〜2030.12.31)。年額1,100万円(税別)で、旧Pikara(2,015万円)から ほぼ半減。県の歳入は目減りし、維持コストとのギャップが広がる。

出典:四国化成建材/Wikipedia/日本経済新聞
ANALYSIS

この事例が問いかけること

批判の視点 収容3万人級の税金施設に、観客は平均約2千人。稼働率わずか約7%で、命名権収入も半減した。 それでも維持管理費は公費で払い続けなければならない。「大きく作れば地域が潤う」という前提が崩れたとき、 過大な公費施設は重荷そのものになる——その現実を讃岐は示している。
反論・擁護の視点 丸亀競技場は陸上・各種大会にも使われる多目的施設で、サッカーの動員だけで評価するのは一面的だとの見方もある。 県が新規の巨額投資(専用スタジアム)に慎重なのは、費用対効果を踏まえた妥当な判断とも言える。

讃岐のケースは、税リーグ問題の“逆側”——「すでに建ってしまった過大な公費施設をどう維持するか」という難問を突きつけます。 新設の是非だけでなく、既存施設の身の丈も、冷静に問われるべきです。

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SOURCES

出典

  1. Wikipedia「香川県立丸亀競技場」「カマタマーレ讃岐」/Jリーグ・スタジアム基準/香川県公式「県民の声」(2023.11〜12 専用スタ提言と県回答)/朝日新聞・marugame2.jp(命名権公募難航)/四国化成建材・日本経済新聞(2026 四国化成MEGLIO)/gurafu.net(観客動員)。※屋根改修の予算額・時期は未公表。命名権年額(税別1,100万円)はWikipedia記載値で一次確認推奨。
公開情報に基づく検証です。金額・数値は媒体により差がある場合があり、最新情報は各一次資料でご確認ください。特定の個人・団体を誹謗中傷する意図はありません。