基準を満たすスタジアムを持てぬまま10年以上。ついにクラブは、ホームタウンの相模原市を飛び越え、 隣の海老名市にJ1規格1.5万人スタジアムを求めました。しかし相模原・海老名の両市長はそろって公費負担を否定。 「誘致される側の税金」を当てにする構図が、首長自身の言葉で拒まれています。
SC相模原の現ホーム「相模原ギオンスタジアム」(相模原麻溝公園競技場、相模原市所有)は、 両サイドが芝生席のためJリーグ開催時の実収容は約6,291人で、J2基準(1万人以上)に届きません。 2013年のライセンス制度導入以来、「駅近の新設」を求めるクラブと、「民設民営」を条件とする相模原市の折り合いが つかないまま、10年以上が過ぎました[1]。
Jリーグクラブライセンス制度の導入で施設基準が厳格化し、麻溝公園競技場がJ2基準を満たせなくなる。スタジアム問題の起点。
J1基準への改修は設計・管理費込みで約77.8億円と試算。クラブが相模原市との協議を開始する。
「5年以内に新スタジアムを新設」を条件とする例外規定の適用でJ2ライセンスを取得。以後、この“宿題”が重くのしかかる。
新スタジアム建設を求める署名を相模原市長に提出。世論の後押しを示す。
2021年にDeNAが協賛・出資で参画し、クラブは海老名市を広域ホームタウンに追加。2022年10月にはDeNAが株式74.2%を取得し連結子会社化した。
Jリーグが例外規定の整備計画提出期限を2025年6月末に延長。“宿題”の締め切りが先送りされる。
相模原市が補給廠返還地などの「土地利用計画骨子」を公表するが、スタジアム整備は含まれず。これがクラブの候補地変更の引き金となる。
海老名市内を予定地とするJ1基準1万5,000人収容の多目的スタジアム計画を提出。同日夕、西谷社長が相模原市長へ電話で移転を通知した。 ただし事業者・スキーム・具体構想は「未定」とされた。
本村市長が定例会見で遺憾を表明。市は複数の代替候補地と既存施設の改修案を提示していたが、条件は民設民営で、 クラブが駅近立地を優先して折り合わなかったと説明した。
誘致される側の内野市長が会見で「スタジアムの施設整備に市が費用を負担することはない」と明言。維持管理も担わない意向を示した。 公費依存の前提が、受け入れ自治体の首長自身に否定された。
例外適用を継続してJ2ライセンスを交付する一方、計画の確度不足を指摘し、提出期限を2026年11月末へさらに1年延長。 基準未達のまま計画だけで延命する構造が続く。
2026年1月期決算で純資産がプラスに転じ債務超過を解消。前期の固定負債10億円が消滅しており、親会社DeNAによる 債務免除相当の財務支援が推察される。自立採算の力はなお不透明。
2026/27シーズンのJ2ライセンスを取得。海老名市内・J1基準1.5万人規格について「場所・予算・整備主体を明記した 具体的整備計画」を2026年11月までに提出するよう求められている。
相模原のケースは、「ホームタウンとは何か」「公共スタジアムを誰の税金で建てるのか」という問いを、 最も先鋭な形で突きつけます。両市長が公費を否定したいま、本当に民間だけで1.5万人規格を建てられるのかが、 これからの焦点です。