2022年、県は国スポ(国体)と大型まちづくり構想に紐づけて、田原本町に「2万人・J1対応・サッカーの聖地」を打ち上げました。 しかし新知事が事業性を疑問視して白紙化。国スポ主会場の陸上競技場すら新設をやめ、既存+大阪・長居で対応することに—— 「国スポ=ハコモノ新設」ではないことを、県自身が示した事例です。
奈良クラブの現ホーム「ロートフィールド奈良」(奈良市鴻ノ池陸上競技場、奈良市所有)は陸上トラック併設です。 これとは別に、奈良県が田原本町に球技専用スタジアムを建てる構想がありました。当初5,000人規模だった県の計画は、 クラブのJ3昇格を受けて「2万人以上・天然芝・J1対応」へと一気に膨張します[1]。
荒井正吾知事が、奈良クラブのJ3昇格を受けて当初5,000人規模の計画を「2万人以上・天然芝・球技専用(J1対応)」に拡張すると表明。 「サッカーの聖地のような場所にしたい」と述べ、2031年国スポ/大和平野中央田園都市構想の一部に位置づけた。
山下真知事が予算執行査定で、県立工科大など「まちづくりの核となる施設の整備を中止する方針」を表明。 田原本町のサッカースタジアムを含む構想全体が再検討=事実上の白紙化に。少子化などを理由に事業性へ疑問を示した。
奈良市と奈良クラブが整備内容について合意文書を交わす方針。ただし市はロートフィールドについて 「全客席を屋根で覆うなどJ基準を完全に満たす大規模改修は困難」と認識を示した。
山下知事が「陸上競技場の新設計画を中止」と明言。2031年国スポ会場は奈良市鴻ノ池(ロートF)+大阪・長居陸上競技場の 利用を検討することに。「国スポのために新競技場を建てる」必要はないという判断を、県自身が示した。
田原本の巨大スタジアムに代え、橿原公苑の既存2体育館を統合し事業費約130億円のアリーナを新設、 2031年国スポ開会式場とする方針。大型スタジアムからアリーナへと投資対象が変わった。
照明塔4基が完成し点灯式。事業費は6億863万円で、うち1/2はデジタル田園都市国家構想交付金=国費。 陸上競技場をJ基準に合わせるための公費が、現ホームにも段階的に投じられている。
奈良市はロートFがJ2ライセンスの例外規定で最大8年間使用可と説明。仲川市長は市外移転はないとの見通しを示し、 ロートFを1万人以上に改修する意向も。田原本の2万人構想とは対照的に、現実路線(改修)が軸になった。
奈良のケースは、税リーグ問題における「イベントを口実にした公費投入」の危うさと、 それを止める行政判断の両方を見せてくれます。現ホーム改修に投じる公費も含め、 「本当に必要な規模はどれくらいか」を冷静に問い続けることの大切さを示しています。