県所有の約3万席スタジアムがありながら、アクセスの悪さを理由に、クラブは「熊本市以外の自治体も想定」と表明。 より有利な立地と公的支援を求めて周辺自治体に打診する姿勢を見せます。しかし県は「建設費は多額」「現状で規程をほぼ満たす」と慎重で、 構想は2年以上、宙に浮いたままです。
ロアッソ熊本(J2)の現ホーム「えがお健康スタジアム」(熊本県民総合運動公園陸上競技場、熊本県所有・約3万席)は、 収容規模ではJリーグ規程をほぼ満たします。しかし陸上トラック併設で観戦環境に難があり、何より交通アクセス・駐車場が 課題です。運営会社アスリートクラブ熊本は、これを理由にサッカー専用の新スタジアムを検討しています[1]。
AC熊本(当時・永田求社長)が、新スタジアム建設で熊本市以外の自治体も想定して準備中と表明。 えがお健康スタジアムの交通利便性を問題視し、空港アクセス鉄道の中間駅計画が採用されなかったことも背景にあるとされた。 具体的な対象自治体・事業費・事業形態は示されなかった。
AC熊本の新社長に藤本靖博氏が就任。同時期、TSMCの菊陽町進出を機に県北の半導体経済とクラブの結びつきが生まれ、 新規スポンサー獲得の動きも出た。
県内では新八代駅前アリーナ、バスケ・ヴォルターズの専用アリーナ、プロ野球独立L球場など他のスポーツ施設が前進する一方、 ロアッソの専用スタジアムだけが停滞していると考察された。
熊本日日新聞のアンケートで、639件の回答の約半数(314件)がえがスタでの観戦に「不満」。 改善方法として最も多かったのが「新スタジアム」建設だった。世論としての要望が可視化される一方、 クラブの具体的な資金計画は示されないままだった。
県は公式Q&Aで「陸上競技場はJリーグ規程をほぼ満たす」「地域活性化連携協定で優先使用などを支援中」 「具体的な専用スタジアム建設の動きはない」「民間の機運が高まり機が熟せば検討」と回答。さらに 「他自治体の試算では建設費が多額に上るとも聞いており、県は現在の支援を続けたい」とし、公費新設に明確に距離を置いた。
熊本のケースは、「アクセス難の既存スタジアム」と「身の丈を超えかねない新設要望」の間で、 自治体がどこまで公費を約束すべきかを問います。県が慎重姿勢を崩さない限り、 この構想は「民間資金でどこまで描けるか」にかかっています。