「サッカーのまち」藤枝。だが人口約14万人の市に、J1ライセンスは「5年以内に15,000人規模のスタジアムを新設・供用せよ」と迫ります。 すでに約21.5億円(うち約半分は国の交付金)を投じて改修してもなお基準に届かず、天然芝の練習場すら未確保—— 「終わらない公費負担」の縮図です。
藤枝MYFCのホーム「藤枝総合運動公園サッカー場」(藤枝市所有)は、公称約13,000人ですが、 Jリーグは芝生席を認めないため入場可能数は約10,057人。藤枝市は2020〜2024年に照明・大型映像・屋根付きバックスタンドを 整備してJ2基準を満たしました。しかしJ1昇格には15,000人規模が必要で、2023年のJ1ライセンスは「条件付き」—— 「5年以内に新スタジアムを新設・供用」「3年以内にトレーニング施設を整備」が条件です[1]。
観客席・照明・大型映像で基準未達だったが、市が改修に着手する前提で例外適用され交付。公費改修が前提に組み込まれる。
2020年11月にLED照明(1,500ルクス)、2022年3月に大型映像装置が完成。J基準対応の設備投資が続く。
備蓄倉庫を備えた固定席(約3,800〜4,000席)+屋根の新設に着工。防災機能強化を兼ねる形で公費を投じる。
施設基準の例外規定を適用しJ1ライセンスを交付。条件は「スタジアムを5年以内に新設・供用開始」「トレーニング施設を3年以内に整備」。 J1基準は収容15,000人だが、当時の見込みは約1万人にとどまっていた。
屋根付き固定席のバックスタンドが完成し供用開始。開幕戦では「1万人集客」を掲げ、実質収容が約1万人規模であることを裏づけた。
J1昇格が現実味を帯びる中、施設要件である天然芝の練習場が未確保。現状は人工芝環境で、強化・編成面のネックにも。 スタジアム本体だけでなく練習場・クラブハウスの公費整備の圧力もかかる。
市が2020〜2024年に照明・大型映像・約3,800席+屋根のバックスタンドを整備した総事業費は約21億5,000万円で、 その約半分は国交省の社会資本整備総合交付金(市負担は推定約10.7億円)。防災強化と併せた投資だが、 これだけ投じてもJ1基準にはまだ届かない。
藤枝のケースは、「昇格の夢」と「基準というコスト」の関係を鋭く映します。 小さな市が、リーグの基準に合わせてどこまで公費を投じ続けるべきなのか—— その線引きを、藤枝の“終わらない改修”は静かに問いかけています。