CASE STUDY 22 | FC大阪

大阪・花園ラグビー場の検証
——「聖地」への公費と、指定管理者かつ寄贈者という二重の立場

ラグビーの「聖地」花園は、市が土地を45億円で取得し、第1グラウンド改修に約72.6億円の公費を投じた公共施設。 FC大阪は指定管理者でありながら第2グラウンドの寄贈者でもある二重の立場で、改修の約束を先送りしたまま委託料を受け取り、 芝の管理を市職員が肩代わりしていたと批判されています。

対象期間:2015年〜2025年/第2グラウンド改修は進行中
東大阪市花園ラグビー場
現在のホーム「東大阪市花園ラグビー場」(第2グラウンドをサッカー基準へ改修予定) 写真:田園(CC BY-SA 4.0)/ Wikimedia Commons
WHY IT MATTERS

問題の背景

FC大阪(J3)の現ホーム「東大阪市花園ラグビー場」(東大阪市所有)は、2015年に近鉄から市へ移管された 「ラグビーの聖地」です。市は土地を約45億円で取得し、第1グラウンドの大規模改修にも約72.6億円を投じました。 そこをサッカー(FC大阪)でも使い、さらに第2グラウンドのサッカー基準化が進んでいます[1]

この事例の論点——「二重の立場」と「税金の二重投入」疑い ①「聖地」に多額の公費(土地45億円+第1G改修72.6億円)が投じられた公共施設 ②FC大阪は指定管理者でありながら第2Gの寄贈者という二重の立場 ③改修の約束を反故にしたまま委託料を受領し、本来管理者がすべき芝刈りを市職員が肩代わり(税金の二重投入と批判)。
45+72.6億円
花園への公費(土地取得+第1G改修)
二重
の立場
指定管理者かつ寄贈者
2028年完成
第2G改修(約束から先送り)
TIMELINE

時系列(2015 → 2025)

2015年2〜4月 ★

市が近鉄から花園を取得——土地45億円、改称・移管

市が近鉄から土地を45億0,790万円(5年分割)で取得(近鉄は別途5億円を市に寄付、国の交付金も一部充当)。 4月に市へ移管し「東大阪市花園ラグビー場」に改称。以後、維持管理・改修は市=公費が担う構図に。

出典:東大阪市花園ラグビー場(Wikipedia)/東大阪市公式
2018年(改修完了)

第1グラウンド大規模改修 約72.6億円

収容27,345人に。改修費総額 約72億6,000万円(国交付金・スポーツ振興くじ助成・市民寄付などを充当)。 ラグビーW杯2019の会場整備を含む公費投入だった。

出典:東大阪市花園ラグビー場(Wikipedia)
2019年11月26日

FC大阪が第2G改修・寄付を表明(当初完成2021年12月)

FC大阪が「自己資金で第2グラウンドをJ3加盟に必須の5,000人規模へ改修し、市に寄付する」と表明し、初回協定を締結。

出典:Wikipedia/東大阪経済新聞
2020年10月1日 ★

FC大阪を含む共同体が指定管理者に(約20年)

「東大阪花園活性化マネジメント共同体」(FC大阪を含む3社)が花園中央公園全体の指定管理者に。指定期間は 2020年10月〜2040年3月末(約20年)。クラブが公共施設の運営者になる構図が生まれた。

出典:ドメサカブログ/Wikipedia
2021 → 2023年 ★

改修の約束を反故——委託料は受領、芝刈りは市職員が肩代わり

当初完成予定(2021年12月→2023年5月に延長)を過ぎても未着工。その間も指定管理の委託料を受け取り、 本来指定管理者がすべき芝刈りを市職員が実施していた事実が判明し、「税金の二重投入」と批判された。 サッカー仕様に短く刈った芝がラグビーに危険との指摘も。

出典:ニコニコ大百科(問題整理・批判側)/note※指定管理料の年額は未確認
2024年12月23日 ★

改修協定を再締結(15.29億円)、社長が謝罪

未着工を受け再協定。総工費15億2,900万円・5,000席、2028年3月末完成、完成後に市へ寄付。FC大阪が2026〜2035年の 10年分割で建設費を負担(=民設・クラブ負担)。近藤社長は「協定を締結したが行動が伴わなかった」と謝罪した。

出典:東大阪経済新聞(2024.12.23)
2025年6月27日

市が改修計画を受け入れ、議会は市長を追及

市がFC大阪の改修計画を了承。2025年7月から基本設計、2026年11月着工、2028年3月末完成の予定。 市長は「財務上、問題はないと聞いている」と発言する一方、市議会は閉会中審査で市長を追及した。

出典:東大阪経済新聞(2025.6.27)
批判側は、指定管理委託料を「年間数億円」「約1億2千万円」とするが、いずれも一次出典を特定できていません【未確認】。 また、前市長がFC大阪の名誉相談役を務めていたとの指摘(市長とクラブの近さ)もありますが、こちらも一次確認が必要です【要確認】
ANALYSIS

この事例が問いかけること

批判の視点 土地45億円・改修72.6億円という公費で整えた「聖地」を、J3クラブが本拠に使い、さらに第2グラウンドの改修が進む。 しかもFC大阪は運営者(指定管理者)と寄贈者を兼ねる二重の立場で、改修を先送りしたまま委託料を受け取り、 芝管理は市職員が肩代わりしていた。公共施設の運営を特定クラブに委ねることの利益相反リスクが、 はっきり表れた事例だ。
反論・擁護の視点 第2グラウンドの改修費(15.29億円)はFC大阪が負担する民設で、完成後は市に寄付される。既存の公共施設を有効活用し、 スポーツによる街の賑わいを生む取り組みという評価もある。コロナ禍・資材高騰による遅延は不可抗力の面もある。

FC大阪のケースは、「公共施設の運営を担うクラブ」と「その施設に投資してもらう自治体」の関係が、 いかに利益相反や説明責任の問題を生みやすいかを示します。誰がチェックするのか——議会の役割が問われています。

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SOURCES

出典

  1. Wikipedia「東大阪市花園ラグビー場」/東大阪市公式/東大阪経済新聞(2024.12.23 再協定、2025.6.27 市受け入れ)/ドメサカブログ(指定管理者決定)/ニコニコ大百科・note(問題整理・批判側)。※指定管理委託料の年額、前市長の名誉相談役就任は一次確認が必要。
公開情報に基づく検証です。金額・数値・関係者の役職は一次資料での確認を推奨し、確証の弱いものは【未確認】と明記しています。特定の個人・団体を誹謗中傷する意図はありません。