就労継続支援B型事業所が給付費の不正請求

厚生労働省

京都市の就労支援事業所「エミ・クラフト」、不正請求により指定取消

京都市は、就労継続支援B型事業所「エミ・クラフト」を運営する株式会社ZERO(伏見区)に対し、約6,700万円の給付費不正請求があったとして、7月30日付で指定を取り消すと発表しました。

  • 不正内容
    2023年8月の事業所指定時に勤務予定のない人物を管理者として申請し、その後も適切な人員配置をせず、2024年5月まで給付費を不正に受給。
  • 監査の経緯
    匿名通報を受け、京都市が5月に監査を実施。
  • 事業者の主張
    管理責任の不履行は認めるが、「不正の意図はなかった」と説明。
  • その他の対応
    同社は6月27日に廃止届を提出し、利用者36人の他施設へのあっせんを進行中。

株式会社ZEROについて

会社・運営法人概要 📌

  • 法人名:株式会社ZERO
  • 代表者:河井 裕典(代表取締役)
  • 所在地:京都市伏見区西大手町307‑56(サンセリテ伏見1・2階)
  • 事業内容:障害者向けの就労継続支援B型事業所「エミ・クラフト」の運営
  • 事業所名:就労継続支援B型事業所エミ・クラフト(事業所番号:2610983039、指定日:令和5年8月1日)

エミ・クラフトの概要

  • 所在地・アクセス:伏見桃山駅から徒歩約7分、中書島駅から徒歩約8分
  • 定員:B型事業所として最大20人程度の受け入れが可能とされていました
  • 開所時間:月~金、9:00~17:00(Instagram情報では10:00~15:00と少し異なる記述あり)
  • 主な作業内容:レジン、ダイヤモンドアート、木工などの創作・軽作業

指定取消に至った背景と不正の内容

京都市によれば、株式会社ZEROが運営するエミ・クラフトでは以下の問題が確認されました:

  1. 指定申請時の虚偽
      配置予定のない人物を「管理者兼サービス管理責任者」として申請し、事業所指定を取得。実際には勤務意思が確認されておらず、申請書類の真正性を担保していなかったとされます。
  2. 人員基準違反
      令和5年8月(指定時)から令和7年5月まで、管理者・サービス管理責任者を配置せずに事業を継続し、適正な体制を備えていませんでした。
  3. 不正請求
      必要な人員が不在にもかかわらず、訓練等給付費を請求・受領。累計で約4,836万円の不正請求があり、そこに加算金(40%上乗せで約1,934万円)を含めた総額約6,771万円を返還命令対象としています。

行政処分と現在の状況

  • 指定取消処分:2025年7月30日付で効力発生。京都市から法に基づく指定取消が通知されました。
  • 返還請求:不正請求分に加算金を加えて、総額約6,771万円の返還を求めています。
  • 廃止届:ZEROは2025年6月27日付で、同年7月31日に事業所を廃止すると京都市に届け出\nbg—既に廃止予定を提出していた形です。
  • 利用者対応:対象となる利用者約36名に対し、他施設へのあっせんを行っているとのこと。京都市も継続支援できるよう区役所等と連携して支援を図っています。

株式会社ZEROの位置づけと事業背景

  • 福祉コンサルからの支援:エミ・クラフトは福祉施設立ち上げ支援コンサルタント(例:「障がい福祉コンサルティング01」など)のサポートを受けて開設されたケースがあります。
  • 企業形態:比較的小規模な法人で、代表者1名、事業所1か所を核として運営されていたと見られます(公開情報の捕捉範囲では詳細な企業規模や財務情報は確認できません)。

項目内容
法人名・代表株式会社ZERO/河井裕典
事業所就労継続支援B型「エミ・クラフト」
指定と廃止指定:令和5年8月1日 → 廃止届:令和7年7月31日
不正請求額約4,836万円+加算金約1,934万円=計約6,771万円
行政処分指定取消(2025年7月30日付)、給付費返還を求める
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