元理事長の背任事件による大学のガバナンス混乱で補助金不交付

東京女子医大 学校

文部科学省の外郭団体「日本私立学校振興・共済事業団」は、東京女子医科大学への2024年度の私学助成金を全額不交付とする方針を決定した。これは、元理事長・岩本絹子氏の背任事件による大学のガバナンス混乱が影響したため。私学助成金は、役員や教職員が刑事事件で逮捕・起訴された場合に減額・不交付となる規定がある。

また、日本大学についても、幹部の不正金徴収問題を受け、4年連続で助成金を不交付とする方針。2020年度には全国2位の約90億円が交付されていたが、不祥事により補助金が停止されている。

過去の不祥事

東京女子医科大学は、過去にいくつかの不祥事が報じられています。主な事例を以下にまとめます。

1. 2001年:人工心肺事故

心臓手術中に人工心肺装置の操作ミスが原因で患者が死亡しました。その後、カルテの改ざんが発覚し、関係者が逮捕・起訴されました。この事件により、特定機能病院の承認が一時的に取り消されました。

2. 2014年:プロポフォール過量投与事故

小児患者に対し、鎮静剤プロポフォールを過量投与したことで、患者が死亡しました。調査の結果、過去にも同様の投与が常態化していたことが判明し、病院の管理体制の問題が指摘されました。

3. 2014年:ラモトリギン過量投与事故

抗てんかん薬ラモトリギンを過量投与したことで、患者が死亡しました。裁判では、添付文書から逸脱した処方に合理的理由がないとされ、病院側に賠償が命じられました。

4. 2024年:元理事長による背任事件

元理事長の岩本絹子氏が、架空の報酬名目で約1億2000万円を不正に支出し、大学に損害を与えたとして背任容疑で逮捕されました。この事件を受け、大学のガバナンス体制の問題が指摘されています。

これらの不祥事により、大学の信頼性やガバナンス体制に対する批判が高まりました。現在、再発防止策や組織改革が進められています。

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