事業再構築補助金に群がる政治家、やる気のない事務局、不正を働く補助金コンサルタント・・・

経済産業省

この仕事、やばくね???

補助金に群がる政治家

 「例のリストを見たよ。この仕事、やばくね?」。新型コロナウイルス禍で打撃を受けた企業の業態転換を促す事業再構築補助金。支給業務を担う事務局オフィスの喫煙所で支給の妥当性を審査する従業員らが声を潜めた。

 「例のリスト」とは、「議員案件」の一覧。事務局に勤めていた元従業員が毎日新聞の取材に自身の経験を証言した。それによると、「議員案件」と記したエクセルシートに掲載されていた企業の数は数十~約100件。国会議員や秘書らから問い合わせを受けた案件のことだという。「『議員案件』が(手元に)来た時は管理職に対応を委ねることになっていた」と元従業員は明かす。

「何も言えない」と言え

 「なぜ審査が通らないのか」「このままでは給料も支払えない」

 事務局には、補助金を求める人からの悲鳴が後を絶たない。申請者の大半は中小企業だ。補助金を当て込んで新たな借り入れをした人もいる。長い場合で申請から6カ月たっても審査が終わらないケースもあった。

 審査を担当したパソナの元従業員によると、昨年夏ごろ、提出書類の様式が急きょ変更され、審査が一斉にストップしたことがあった。「問い合わせにどう答えればいいですか?」。ある審査員は上司に尋ねたが、「『具体的なことは何も言えない』と、ひたすら言ってくれ」。上からのあいまいな指示と怒声を浴びせてくる申請者の板挟みになる審査員たち。精神的に参って辞めていく人もいたという。

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