介護事業所はコロナ禍でも休業せずに運営してた
山口労働局は、「ぶち介護サービス」(下関市)が運営する県内2カ所の介護事業所が、約6631万円の雇用調整助成金を不正に受給していたと発表しました。この不正は、実際には休業していないにも関わらず休業したように見せかける虚偽の申請によって行われました。
該当期間は2020年7月から2022年5月で、新型コロナウイルスの特例措置期間中です。同社は不正受給額と違約金を含め、全額を返還しました。不正が悪質な場合は刑事告発の可能性もあるが、今回のケースについては山口労働局が明言を避けています。
補助金の不正受給で刑事告発されるかされないかの判断ポイントは何でしょうか?
助金の不正受給が刑事告発されるか否かの判断ポイントには、以下のような要素が含まれます。これらの要素は、事件の具体的な事情によって異なるため、各ケースごとに詳細な検討が必要です。
- 不正の意図: 故意に虚偽の情報を提供して補助金を受給した場合、刑事責任が問われる可能性が高まります。偶発的または過失によるものか、故意によるものかが重要な判断基準となります。
- 不正の規模と金額: 不正受給の金額が大きいほど、その行為が刑事告発される可能性は高くなります。一定の金額以上を不正に受給した場合、その行為は社会的にも重大な影響を及ぼすと見なされます。
- 犯行の手段と方法: 不正受給を行うために複雑または巧妙な手段、方法が用いられた場合、刑事告発されるリスクは高まります。このような行為は計画的かつ悪質と見なされることが多いです。
- 再発の有無: 過去に同様の不正行為を行ったことがある場合や、不正行為が継続的に行われていた場合は、刑事告発される可能性が高くなります。
- 返還と自主申告: 不正受給が発覚した後、迅速に全額を返還し、自主的に申告した場合、これらの行動が緩和要因となり得ます。しかし、これだけで刑事責任が免除されるわけではありませんが、判断材料の一つとされることがあります。
- 社会的影響と公益: 不正受給の行為が公共の利益に対してどれほどの影響を及ぼしたかも、刑事告発を検討する際の重要な要素です。社会的な非難の度合いや、その行為によって補助金制度の信頼性が損なわれた場合、刑事告発される可能性が高くなります。
最終的には、これらの要因を総合的に評価し、検察官や法執行機関が刑事告発するかどうかを決定します。