議員が自ら院長をつとめる病院で不正
会計検査院は、新型コロナ対応の補助金と交付金に不適切な支出があったとし、21億9000万円が不当支出と発表しました。愛知県の「いまむら病院」や東京都中野区の「中野訪問クリニック」が虚偽の申請により補助金を不正に受け取りました。特に中野訪問クリニックは診療体制の誇張によって5億6000万円を受給していましたが、すでに返還済みです。
また、全国自治体への「コロナ交付金」も問題視され、総額205億円の不正が指摘され、未返還額が8割に達します。会計検査院の報告では、コロナ関連で全体として約50億7000万円、全体の税金の無駄遣いとして648億円が問題視されました。
今村洋史元衆院議員とは
今村洋史(いまむら ひろふみ)氏は、日本の政治家であり精神科医です。1962年1月28日に宮崎県都城市で生まれ、福岡県で育ちました。埼玉医科大学を卒業後、埼玉県や茨城県で精神科医として勤務し、その後、愛知県一宮市で医療法人有俊会の理事長およびいまむら病院の院長を務めました。
2011年、たちあがれ日本の青年部に入党し、かけはし塾の第一期生となりました。その後、太陽の党を経て、2012年12月の第46回衆議院議員総選挙で日本維新の会から比例東京ブロック単独2位で立候補し、初当選を果たしました。2014年8月、日本維新の会の分党に伴い、次世代の党の結党に参加し、党総務副会長と党選対副委員長を務めました。
2015年に自由民主党に入党し、2017年10月の第48回衆議院議員総選挙では自民党の比例東海ブロック単独32位で出馬しましたが、落選しました。2021年10月の第49回衆議院議員総選挙では、東京15区から無所属で出馬しましたが、再び落選しました。
2023年7月、自民党は次期衆議院選挙で東京都第9区に今村氏を擁立すると発表しました。しかし、2024年10月、派閥パーティー収入裏金事件に関与したとして、自民党は今村氏を非公認とすることを発表しました。その後、今村氏は次期総選挙への立候補を断念する意向を示しました。
政策面では、憲法改正に「どちらかといえば賛成」とし、憲法9条への自衛隊の明記を支持しています。また、選択的夫婦別姓制度の導入には「どちらかといえば反対」、同性婚の法制化には「どちらかといえば賛成」との立場を示しています。
不祥事として、2024年3月、安倍派(清和会)の政治資金パーティー収入の一部を自身の政治団体「黎明の会」に220万円キックバックしていたとして、名古屋地検に刑事告発されました。
医師としての経験を活かし、医療政策や福祉問題に取り組んできた今村氏ですが、近年は政治資金に関する問題で注目を集めています。