実質無料でちょっとした教育を提供して人材開発支援助成金をゲットする人材会社が増えています

厚生労働省

リスキリングに取り組む事業主への助成金について、会計検査院の調査により、全国で制度の趣旨に反する不適切な受給が相次いで発見され、合計1億円以上が不適切に支給されていたことが判明しました。特に愛知県と茨城県の2社には助成金の返還が命じられ、厚生労働省には不正受給を防ぐ対策を求められています。

この助成金は、労働者に対する職業訓練などの経費を支援するものですが、32の事業主が、訓練を提供する会社や団体から資金援助を受けていたにもかかわらず、全額負担を条件とする助成金を受給していました。また、一部の企業は「実質無料」の営業に基づき、感想文の提出や動画撮影の協力を条件に訓練費用の一部を肩代わりしてもらっていた事例もあります。

元会計検査院審議官の星野昌季弁護士は、助成金の支給条件として事業主が訓練費用を全額自己負担する必要性を強調しています。これは、事業主が訓練の内容や効率性を慎重に精査し、必要な訓練を選定するためです。しかし、助成金の補助率が上がっている現状では、精査が不十分となり、不適切な受給が増える「モラルハザード」が発生していると指摘しています。

また、助成金は事業主の負担を軽減するためのものであり、今後も新しい助成金制度が設けられる中で、中央省庁は不正受給を防ぐための対策を常に講じる必要があると述べています。

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