他人の論文で補助金3978万円を不正受給

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愛知学院大で不正受給

愛知学院大学薬学部の50代の元教授が、在籍中に科学研究費助成事業(科研費)の申請に際し、虚偽の業績を記載して合計3978万円の補助金を不正に受給していたことが明らかになりました。

この元教授は架空の論文を作成したり、著者名を改ざんするなどの不正を行っていました。日本学術振興会が2016年、2019年、2022年に採択したがん細胞研究を含む3件の科研費申請にてこの不正が発覚し、大学は不正に受け取った補助金を国に返還しました。この不正行為には、存在しない論文を業績として申告したり、他人の論文に自分の名前を無断で加えるなどが含まれていました。


愛知学院大学の元教授が、在任中に国の科学研究費約3978万円を不正に受給したため、大学が加算金を含め約4800万円を返還したことが明らかになりました。この元教授は、架空の論文の記載や他人の論文に自分の名前を無断で加える、実施不可能な実験の研究計画書の提出など虚偽の申請をしていたとされます。不正が発覚したのは匿名の告発を受けた大学の調査によるもので、不正受給した研究費が私的に使われた形跡はなかったという。

元教授は、大学側からの資金調達要請と研究員確保の圧力を理由に虚偽申請をしたと説明しています。大学は元教授に諭旨退職の懲戒処分を下し、返還に踏み切りました。これを受け、愛知学院大学はコンプライアンス教育の強化など再発防止策を講じるとしています。

科学研究費助成事業とは

科学研究費助成事業(科研費)は、日本における科学研究の振興を目的とした国の助成事業です。この制度は、科学研究の自由な発展を支援し、研究水準の向上を図ることを目的としています。科研費は、基礎研究から応用研究まで、幅広い分野の研究に対して助成を行っており、大学教員や研究機関の研究者などが対象となります。

助成の種類は大きく分けて「基盤研究」「挑戦的研究」「萌芽研究」などがあり、それぞれの研究の目的や段階に応じて設計されています。基盤研究は、研究分野を問わず、高い研究水準を有する基礎的な研究を支援するためのもので、挑戦的研究は、既存の枠組みにとらわれない革新的な研究に対して助成されます。萌芽研究は、新たな研究分野の開拓や革新的な研究の萌芽を支援するためのものです。

科研費の申請は年に一度あり、研究者は自らの研究計画を提案書として提出します。提出された提案書は、学術的な価値や研究の意義、実施計画の適切性などを評価するための厳格な審査を受けます。審査を通過した研究計画に対しては、研究期間に応じて必要な経費が助成されます。

科研費は、日本の科学技術研究の質と量の向上に貢献する重要な役割を果たしており、多くの優れた研究成果がこの助成を受けて行われています。

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