元衆院議員の妻がコロナウィルス対策の補助金を不正受給
愛知県一宮市の「いまむら病院」を運営する医療法人「有俊会」の理事・今村有希子容疑者(57)が、新型コロナウイルス対策の補助金を不正受給したとして名古屋地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された。
今村容疑者は、元衆院議員で病院の理事長兼院長を務める今村洋史氏の妻。
容疑内容は、2023年1~5月に実際には購入していない医療機器の納品書を用いて虚偽の実績報告書を提出し、愛知県の補助金約5,260万円を4回にわたり不正に受給したというもの。
同病院を巡っては、会計検査院が総額約1.6億円の過大受給を指摘。県の調査では、少なくとも約4.5億円の不正受給が明らかになっており、特捜部は2025年10月に関連先を家宅捜索していた。
今村洋史氏は元維新の会議員で、その後自民党入りしたが、派閥裏金問題の影響で2024年衆院選には出馬していない。

今村洋史元衆院議員
医師出身の政治家で、2012年の衆議院選挙で初当選した人物。医療・保健分野に知見を持ち、在任時は医療政策や地域医療の課題に関心を寄せていたとされる。
1. 基本情報
- 氏名:今村 洋史(いまむら ひろし)
- 生年:1961年
- 職業:医師、病院経営者
- 肩書:
- 医療法人有俊会 理事長
- いまむら病院 院長
- 家族:妻・今村有希子氏(有俊会理事、2025年に補助金不正受給容疑で逮捕)
2. 経歴(政治家としての歩み)
■ 医師としての活動
愛知県一宮市で医療機関「いまむら病院」の院長を務め、地域医療の現場に長年従事。
病院経営にも深く関わり、地域の医療提供体制に強い関心を持っていた。
■ 2012年:初当選(日本維新の会)
- 2012年衆院選で「日本維新の会」から立候補し初当選
- 当時の維新の会は第三極ブームで勢いがあり、医師出身の専門性も注目された
■ 自民党へ移籍(2015年)
- 2015年、自民党へ入党
- 旧安倍派(清和政策研究会)に所属
- 自民党内では地域医療・医療制度改革に関する政策分野で活動
■ 衆院議員としての主な関心領域
- 地域医療の充実
- 医療機関の経営環境
- 高齢化対応
- 社会保障制度(医療費・介護費など)
※国会での突出した立法実績が大々的に知られているわけではないが、医師議員として医療分野に軸足を置いた活動を行っていた。
3. 2024年衆院選で出馬断念
2024年、自民党派閥「旧安倍派」による裏金事件が全国的に問題化。
その影響で、
- 自民党からの公認が得られず
- 出馬を断念
政治活動上、事実上ここで第一線から退くこととなった。
4. 最近の動向と不正受給事件との関係
■ 妻が補助金不正で逮捕(2025年)
- 2023年度のコロナ対策補助金を虚偽申請した疑いで、妻の今村有希子氏が2025年12月に逮捕
- 不正受給額は少なくとも約4.5億円とされる大規模案件
- 洋史氏自身は現時点で容疑者とされていないが、
- 病院の理事長
- 妻は理事として事務統括
という立場から、捜査の行方に注目が集まっている。
■ 病院経営者としての責任問題
会計検査院や愛知県の調査で多額の不正が指摘されており、
法人全体のガバナンス責任が問われる可能性が高い。
5. まとめ(人物像と現在の評価)
今村洋史氏は、医師としての専門性を背景に政治の世界へ入り、医療政策を中心に活動した元議員である。一方、
- 自民党派閥問題による公認停止
- 妻の巨額の補助金不正受給事件
といった問題によって、近年は政治家としての評価よりも病院経営を巡る不祥事の側面で注目されるケースが増えている。
